筆に限りなし 城山三郎伝 講談社 加藤仁著

次のような一節に巡り会えた。
城山さんが30才と31才に文学界新人賞 直木賞を受賞されている。



その時の衝撃を著者の加藤仁さんは次のように記している。



「その筆致は老熟した端正さを感じさせ、とてもそのような年齢の作家によるものとは思えなかった。

 さらに素材(情報)がその時代において新鮮であるだけでなく、

素材の吟味を重ねた創作まで昇華させる手腕の確かさ、
緊迫感のある筆の運びなど、わたしが城山作品から学んだことは計り知れない。」とあった。


深い感銘を受けた。
キモノや帯の柄のモチーフ(素材)は、

写生や画集を含めいろいろなところから資料として参考画を集める、そのまま柄にしたのでは、

料理で言えば「生煮え」になる。だからデザインとして様々な手法を試してみる。

構図も配色も何回も検証する。この行為を私は「デザインの進化」と考えている。


「昇華」とまでは思っていなかったがこの一節は深く記憶にとどめることにする。