仕事の道具

伝統工芸では「作っても売れない」が深刻な問題ですが、
もっと切実な問題は「道具と材料」の調達が困難なことです。
伝統工芸は1人で成り立っていません。
材料を提供してくれる人、道具を作り、
修繕をしてくれる人たちで成り立っています。
刺繍は比較的加工工程の少ない分野です。
道具も「刺繍台と針」材料も「絹と金属の刺繍糸」があればなんとかなります。
刺繍糸は塩野屋さんのように良質の糸を作ってくれるところがありますが、
問題は「針」です。
「手打ち、の針」なのですが、どうも使いにくく困っています。
糸を通す穴の部分 「みみ」と言うのでしょうか、「め」と言うのでしょうか、
そこがたたきすぎで平たくなりすぎ、大きすぎます。
よって針の出し入れでプツプツ音がし、スムーズに針が動きません。
頑張って針を引っ張らなくては糸が引けないのです。
この段階は意識をしなくても良かったのです。
昔の針が1本でてきました。やはり良い針でこれを使っていますが、
これが消耗すれば考えなくてはなりません。
困ったことです。